私の好きな彼女、私を愛した彼氏

腐れ縁と呼ぶには少し早いけど、私達は確実に親睦を深めて今では親友と呼ぶに等しい関係になっていた。

｢うちのクラスは何するのかなぁ。…何かオリジナル作品じゃないとダメみたいだし。｣
｢著作権でしょ。普通さ、高校の学園祭の劇にまで文句言います？｣

私は苦笑を浮かべ、母のお手製の醤油卵焼きを口に頬張った。
正直行って他人事。
基本的に団体行動は苦手だし面倒臭い事には関わらない主義だから。


でも、事態はある日急展開を迎える。

｢あのー、今、何て?｣
｢だから、宮原さんに脚本を書いて欲しいのよ。ほら、宮原さん小説とか書いてるじゃない。適役だと思って。｣
｢いや、書いてるけど……。ガチの恋愛小説だよ？さすがに学祭向けじゃ。｣
｢それがいいのよっ!!セカチューがブームの今、世の中の人達は癒やしを、つまり純愛を求めてるわけ。解る?!｣
｢はぁ……。｣

……うぜぇ。誰だよこの人をクラス委員にしたの。
私は半ば押し切られる形で脚本を引き受けることになった。
趣味で小説を書いていたことが仇になるなんて…。
死ぬほど後悔したが乗りかかった船だ。
やると決めたからには手を抜きたくない。