私の好きな彼女、私を愛した彼氏
元が生粋なB型の私は、負けず嫌いが幸いして自己最高の出来を誇る純愛LoveStoryを書き上げることに成功した。

「いいっ!!めちゃくちゃいいよこれっ!泣けるっ。」
「そ…、そぉ??」

出来上がった作品は想像してた以上に評判が良く、私はクラスメイトより拍手喝采を受けた。
だが、それとは別に新たな問題も浮上する。

「…でも、これ…誰が演じる?」
「確かに、……ちょっと、恥ずかしいよな。」

読むのと演じるのでは心持ちが違うらしい。

確かに、観客が見守る中『愛してる』を連発しなくちゃいけないなんて――。
思春期の男子にとってみればタダの罰ゲーム。
そんな事まで予測してなかった私は己のペンの突き進むままに独創的な世界観で遠慮なく書きあげてしまったのだ。

「……大丈夫、それに関しても秘策を練ってきたから。」

自信ありげに笑みを零すのは諸悪の根源であるクラス委員の千葉ちゃん。
ちらっと私を盗み見て……笑みが深みを増す。
私は背筋に悪寒を感じその場を立ち去ろうと彼女に背を向けた。
その瞬間、背後から右肩を掴まれ体が固まってしまう。

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