私の好きな彼女、私を愛した彼氏
「ぇ…、今日お休み何ですか?」
「ゴメンネ。お腹の調子が余り良くないみたいなの…。」




自転車通学をしていた私は毎朝アカネを迎えに行くのが日課になっていた。
今日も心臓が口から飛び出しそうな緊張の中迎えに来たのに…。
私を出迎えてくれたのは彼女のお母さんだった。
しかも欠席しますと言う伝言付きで――。


……何か、拍子抜けした。
チャイムを押すのに10分も迷って立ち往生した自分が恥ずかしいっ。








結局、私は一日中もやもやした心を晴らせないでいた。
あれこれ考えるのは性に合わないし得意ではない。
だからこそ直球勝負で挑みたいのに…内容が内容だからなぁ。



「何でキスしたの?…とか簡単に聞けないよ。軽い気紛れ…なんて言われた日には立ち直れない気がする。」



だったら…どんな答えなら納得出来るんだろう。


――遊びが嫌なら………本気なら……っ……。



って何考えてんだ私はっ!!


「……っ。私、変だ。」

帰りのホームルームが終わると同時に私は教室から駆け出した。


結局何にも答えなんて見つかっていない。
何が正しくて何が間違ってて自分が何をどうしたいのか――。
考えれば考えるだけ深みに嵌まっていく。
でも、たった一つだけ確かな事があった。



それは私が今一番求めているもの。



アカネに会いたい。
ううん…、私の中のもう一人の私が叫んでる。


ハルに会いたいっ……!!!
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