私の好きな彼女、私を愛した彼氏
ガチャ――。

『おかけになった電話番号は現在使われて――。』

「あ、ハル?おはよー。もしかして…まだ寝てた?」



私は……機械的音声が告げるリアルに耳を塞ぎ、瞳を伏せた。


ほら…聞こえるでしょ。
私の大好きなハルの声。

ハルの……私を呼ぶ声が―――。

『――はよ…。ったく…朝からすげぇテンション。元気だねぇミウは』
「ハルの声が聞けたんだもん当然でしょ?ん―――っ、癒されるぅ。」
『ばぁか、誉めても何も出ねぇよ。』
「ハルさえいれば何にもいらないよ。前から言ってんじゃん」
『はいはい…っ。』
「あぁ―!!今、照れたでしょ。もうっ、ハル大好き!」



―――アキ、私ね……彼氏が出来たんだ―――。


そう…。

忘れもしないあの日。
アカネはハルの声で、ハルの笑顔で私に告げた。
……私とハルの未来が音を立てて崩れ落ちた瞬間だった。

『…ミウ?何だよ急に黙り込んで…。何かあった?』
「ぁ、うん…。何でもないよ。」
『本当かぁ?…お前の大丈夫ほど当てにならないのはねぇからな。』

ハルが苦笑混じりに呟いた。


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