私の好きな彼女、私を愛した彼氏
「ったく…そー言う意味じゃねーよ。……俺がもう限界だって言ってんの。」
「限界って?!…私と居るのがそんなに嫌なら――。」
「だからっ、ミウを抱きたくて我慢の限界なんだよっ。」


……ぇ?……。

私は固まった。
時が止まったかのように微動だに出来ず開いた口も塞がらない。
双方の瞳からは自然と涙が溢れ出し私の頬を濡らしていた。

だけど――。

ハルは耳まで真っ赤にして…斜め右下を向いていた。
恥ずかしくて仕方がないと全身でアピールしてるのが可愛くて愛おしくて…私の口元が少し緩んでしまったくらいだ。
どうしよう…、この目の前の【男の子】がたまらなく欲しい…。


「…バカじゃないの。」


私は俯いたまま呟いた。

「なっ、バカって…」
「バカよ、大バカっ!!あぁ…もぉ、何でそんな事で悩むかなぁ…。」
「そんな事じゃねぇだろ!」
「…………呆れちゃうくらいバカな悩みだって言ってんの。私がハルを拒むと思った?」
「…だって、なぁ――。」
「ハルは大事な事を忘れてるよ。私は……っ、ミウはハルと愛し合う為だけに存在してるんだ。………だから何も怖くないよ。」
「…ミウ……。」
「それに、勝手に人のファーストキス奪った人が今更悩むことかね…。」
「や、それとこれとは話が……って……。」






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