私の好きな彼女、私を愛した彼氏
静寂が訪れた。


彼が私の言葉の中の真実に気がついて瞳を見開く。



「……マジで、あのキスが……。」

私は無言で頷いた。
改めて聞かれるとかなり恥ずかしい。
明かりをつけなくて良かったと心から思った。



「だからさ、私……ハルに全部あげるって決めたんだ。貰って…くれない?」




私は何も怖くなった。

【初めて】をあげる事が出来なかった。
あんな形で軽々しく失うなんて、自分の行動の浅はかさを心から後悔した。
だからファーストキスがハルで、本当に愛した人で良かったって死ぬほど嬉しかったんだよ。


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