私の好きな彼女、私を愛した彼氏
ま…、強ち間違ってないんだけどね。


でもこの時の私には癇に障る以外何でもなかった。


「…あの、早く横になりたいんですけど。」
「おぉ、悪い悪い。んじゃ、また昼休みに見にくるから。酷いようなら今日はもう帰れよ」
「解りました。」


…別に来なくていいし…っつーか、くんなっ。


生まれて初めて殺意が芽生えた瞬間だったかもしれない。
具合の悪い人間に心の広さなんて求めちゃダメ。
心の中で担任教師を死ぬほど罵った私は保健室の先生に促されるまま奥のベッドルームに足を進めた。

「ぁ、右のベッドには先客がいるから静かにね。」

騒ぎ立てる元気があればココにはいませんよ。

悪意は無いと解ってても今の私にとっては全てが苛立たしかった。
溜息混じりでドアを閉めベッドに腰をおろした時だ。
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