私の好きな彼女、私を愛した彼氏

それから数時間後――――。

私は浴衣姿でハルが来るのを待っていた。
浴衣デビューが18歳なんてある意味女を捨ててたな。
誰かの為に可愛くなろうなんて今まで考えた事もなかった。
着飾る事が面倒だと手抜きをしていた自分が恥ずかしい。



【ハルの目に少しでも可愛く映りたい】


私は寒さを堪え素足に下駄まで履き真夏のお祭りスタイルを徹底した。
辺りを見渡せば視界に入る人達の服装が私に季節を思い出させる。
長袖のカーディガンを羽織った人、ロングブーツを履いた人―――。
彼等は浴衣姿の私を見て寒そうっと肩を震わせ通り過ぎて行った。



その時だ。

「あれ?あきっぺじゃん。」
「ぇ?」

不意に聞こえた声に振り返った私は、その声の主に瞳を見開いた。

「やっぱり、あきっぺだぁ。打ち上げの二次会行かないって言うから何かと思えば、ふぅーん…そーいう事かぁ。」

何と南と千葉ちゃんが現れたのだ。


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