私の好きな彼女、私を愛した彼氏

Season10 彼と私の進路

『…私なりの決意かな。中途半端はもう辞めようと思って。』


確かにアカネは言った。
肩まであった艶のある綺麗な黒髪をベリーショートにして…。
女が髪を切る理由なんて大抵決まってる。

失恋、転機……そして覚悟。

アカネの言う中途半端とは…多分私達の関係の事。
罪悪感を抱きながらも愛おしく思う気持ちを止められずにいる現状を、彼女は彼女なりに悩んでいたのだろう。
私とは違って根は真面目な子だからなぁ。
だから、彼女は私達の関係を終わらせようと考えているのだと思っていた。




でも……。



「……一向に出ないんだよね、別れ話。」
「っ!!いきなり、何意味深なこと呟いてんのよ。」
「ぇ、私言葉に出してた?」

季節は11月下旬。
学祭を終えた私達3年生は受験モード全開になっていた。
……はずなんだけど、私は友人2人とケーキバイキングに来ていた。
しかも本日は月曜日。
学校サボって何やってんだか…親が泣くよ。

< 76 / 90 >

この作品をシェア

pagetop