私の好きな彼女、私を愛した彼氏
あぁ…お風呂入らなくちゃ…。
夕食が先でもいいか…。
ってか今日の夕食何だろう……。

実に平凡で芸のない質問の数々。
疲れ果てた脳にはこれが限界のようで私は誘われるままに意識を手放そうとした。
が、ふと一つの疑問が頭に浮かぶ。

「…アカネ…進路決まったのかなぁ。」

人様の心配が出来るほど私には余裕が無いっ………はずなのにアカネが絡むと特別らしい。
私は彼女の行く末が無性に気になったのだった。

「大学、短大、専門…。何にしても…市内だよね。」


本当に何の根拠があるってんだ。
いや、全くもって皆無ですが…。
ただ、そう信じたかっただけ…。
アカネと離れる未来なんて想像するだけで死んでしまいそうになるから。


私はこの生殺し状態に耐えきれなくなっていた。

止めを刺さないのは何故…?

サヨナラの4文字なんて…この世から消えてしまえばいいのにっっ……!



ただ…側にいたい…だけなのに…。

私の心から溢れ出すハルへの想いが行き場を無くし悲鳴を上げていたのだった。

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