私の好きな彼女、私を愛した彼氏
こんな日に限って父の帰宅が早い…。
リビングに寝転がりテレビを見ていたが体を起こして――。

「アキ、お前…。」
「とにかくっ!!決めたったら決めたの!…願書書かなくちゃいけないから夕飯はいらない。」
「アキっ、待ちなさい。ちゃんと説明しなさいっ!」


母が怒鳴るのを私は無視した。
あの人があんな風に声を荒げたのは何年ぶりだろう。
それくらいの事を私は言ってしまったわけだが…、もちろん決心は揺らがない。
私はアカネと同じ大学を受験するためにパソコンを開いた。



「東京商船…ぁ、これか…。」

その名の通り船の専門大学のようだ。
でも……

「海の東大?…ぇ、めちゃくちゃ偏差値高いし。」


意味が解らない。

失礼を承知で言わせて貰うけど……。
アカネの成績じゃ逆立ちをしたって合格が出来るレベルじゃない。
だけど、彼女は言った。
自分の頭じゃ他の大学は無理だから東京商船を選んだと。
矛盾しているじゃないか。


……何…そんな嘘までついて、私から離れたいわけ。
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