【完】あたしだけ見て☆
「俺の心臓の音聞こえる?」
「…うん、すっごく速い。」
あたしと、同じくらい速いよ。
――…ねぇ、期待させないで。
鼓動が速い理由は…あたしと一緒って、思っちゃうから。
「俺ね、初めて自分から好きになったのが相原だったんだ。」
「そう、なの…?」
「うん、それで中学の卒業式ん時に……告白した。」
「うん…。」
「でさ、俺、お前のことに関するとさ、ほんと…なんていうか…ドキドキすんだ。」
陽生があたしにドキドキ?
あたしと同じように、……ドキドキしてくれてたの?
「ほんと今もダッセェくらい心臓もバクバクで、自分から話しかけたりもあんま出来なかった。」
止まったはずの涙がまた溢れ出す。
あたしは黙ったまま、頷いた。