【完】あたしだけ見て☆
前で女の子達と会話する陽生を見ながら、1人で思ってた。
ねぇ陽生、あたしと陽生の距離はどんどん離れてってるよ?
「ねぇ、陽生。」
「ん?どした?」
そう言って首だけをこっちに向ける陽生。
――向き合ってもクレナイの?
「…あたし帰るね。」
こんな毎日に、もう耐えられなかった。
「え?だから相原ん家向かってんじゃん。」
“相原”
なんで付き合って結構経つのに…名前も呼んでくれないの?
他の子はいつも名前で呼ばれてるのに。
自分の中でドロドロしたモノが溢れ出す。
"他の子"たちと"あたし"は違うのに。