ココアが欲しいんだ【季節短編】






天才だな、この人は。




確信した。




「バレンタインてさ…」




彼が話し出す。




「女の子からチョコ貰うのは嬉しいけど、やっぱり好きな子にチョコ貰いたいなぁって思うんだ」




アタシは黙って聞く。




――モテるんだなぁ。




アタシは思った。




自転車に入ってる紙袋を見て。




チョコ、見えてますよ。
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