恋愛日和―愛してるの意味-
それから、また春が来て…夏が来て…
秋が来て、また冬が来て…。
私達は――、いつからか、変わってしまった。

『例え、浮気だとしても――。
 原因は彼だけじゃなく、きっと私にもある。』

漠然とそんな考えが頭をよぎり、私は嘲笑を浮かべた。
と、ソコヘ張本人の登場だ。
哀愁漂った空気が一転
右手には某有名ブランドのエメラルドグリーンの
小さな袋を抱え、弾むようにこちらへと向かってくる
そんなあの人を見ていると
忘れていた怒りが込み上げてきて
私はひょこっと彼の前に姿を現した。

「えっ?!!!」

まるで、死んだ人でも見るかのような驚き方に
私は表情を全く変えず
今世紀最大の微笑を浮かべて、問いかける。

「そんなに驚かなくても良いじゃない。私も、今着いたばかりよ。」
「…ぁ、っ、え?」

動揺している彼は、四方八方へと視線を動かし
言い訳を探してるようだ。
それを見逃さない私は
空いてる彼の左手へと指を絡ませ続ける。

「もぉ…。レストラン、ちゃんと予約してくれてるなら
 早く教えてよね。残業だなんて、ドタキャンされて…
 浮気でもしてるのかと思ったよ?」
「な、何でレストランのこと知ってんの?」

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