君、会いたい
「…本気だよ」
真顔でこんなことを言う颯矢。
「うーそ。だって…颯矢は優しいもん。私の嫌なこと、しないでしょう?私が悲しくなること、しないでしょう?」
私がそう言い数秒経ったとき、颯矢の顔がパァッと明るくなった。
もうそれは曇り空の雲が吹き飛んだように…。
太陽の、ように…。
「……だな」
どうやら伝わったらしい。
『悲しくなること、しないでしょう?』
これの裏に隠された思いを。
『颯矢に忘れられるのは、私すっごく悲しいよ』
口では言えなかったこの思いを…。