君、会いたい
中編
君は、病気でした。
何十万人に一人と言われる難病で、お医者さんからは治療法がないと言われた。
この世界…こんな広い世界の中で、選ばれたのは君だった。
私は…諦めなかった、最後まで。
だって私が諦めたら…終わってしまうような気がしたから。
颯矢がいなくなるなんて、考えなかったんだ――
私はその日、いつものようにいったん帰り、また夜に来ると約束していた。
「颯矢、颯矢の大好きな桃買ってき……」
バサッ
私の手から…スーパーの袋が落ちた。