君、会いたい
「ねぇ颯矢?」
私は優しく笑いかける。
そして颯矢を抱きしめた。
いつもは私が颯矢の腕の中にすっぽりおさまるけど、今回は逆。まぁ私の腕の中にすっぽり…とはいかないけれど、しっかり抱きしめた。
「私の記憶は…永遠なんだよ」
「………」
私に黙って抱きしめられている颯矢は、温かい。
「だから、私はいつでもどこでも何度でも…颯矢を鮮明に思い浮かべることが出来るんだよ?」
私の記憶から颯矢が消えることは…一生ないんだよ。
ただ、颯矢に伝わることだけを祈った。
「俺は…お前がいないと、忘れてしまうかもしれないよ」
ずっと黙っていた颯矢が…ポツリと言った。