君、会いたい


普通なら…普通ならズキッと心を傷めるかもしれない。


忘れちゃやだよって思うかもしれない。


だけど私は知ってるんだ。


それが、颯矢なりの我が儘なんだと。


『俺だって離れたくない』


だけど、すんなり受け止めるのも…なんかね。




「そっか…それは悲しいね」



私は体を離して…ニッコリと笑った。



「望美…全然悲しそうじゃないじゃん」


そう言って颯矢は拗ねた。


や、ヤバい…。

可愛い…きゅん。



勿論、悲しくないわけがない。

ちょっと意地悪しただけ。



「颯矢だって…冗談でしょ?」


私は颯矢の頭に手をポンと乗せる。
< 9 / 23 >

この作品をシェア

pagetop