理由尋問
猫塚が撫でてるにゃあを抱き上げてあたしはスタスタとオアシスを去った。
…なんなの?あいつ。
せっかくいいよって言ってあげたのに。別にいい。とかかっこつけてんのか?あいつも結局そこら辺の人等と一緒だったんだ。
少しため息をついてにゃあを撫でながら帰った。
「ただいまぁ」
「お帰り!雪乃。…その猫はどうしたんだ??」
お父さんはあたしの腕の中にいるにゃあを指指して驚いていた。
うん。そりゃあビックリするよね。
「あの、お父さん。あたし、このコ飼いたいんだけど…ダメかな。」
「……雪乃は、そのコが好きかい?」
お父さんにそう言われて戸惑った。ただ、好き。って言えばいいのに、いつものあたしなら言ってるのに。あいつの言葉が出てきた。゙絶対に理由がある"
理由…。好きの理由…。
わかんないよ。
ただあたしに似てる気がして。
ただ一緒にいたかった。
それが理由だとしても好きの理由にならない。あいつならなんて答えるんだろう。
「ニャーァ!ニャーァ!」
「ん?」
その時初めてにゃあの顔をちゃんと見た。
小さな顔にビー玉みたいな丸い目をしていていて、凄く可愛いと思った。