Boys Kissシリーズ・『バレンタインのキス』
「ちょっ、こっちへ!」

彼の手を掴み、ボクは人気の少ない階段の踊り場に来ました。

屋上は立ち入り禁止になっているので、屋上に近い踊り場は内緒話をするのにもってこいだからです。

「いきなり人前で何を言い出すんですか!」

「もうバレていると思うよ?」

ガクッと肩を落としました。

そう…彼は目立つ存在です。非常に。

理由はこの高校の生徒会長だからです。

そしてボクは生徒会書記。

知らない人がいないほど、ボク達は有名なのです…。

「キミと付き合いはじめて、もう5年も経つんだしさ。いい加減、諦めたら?」

…ボクは選択を間違えたんでしょうか?

有名私立中・高学校として名高いこの学校に合格できた時は、スゴク嬉しかったです。
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