【童話シリーズ第1弾】ふしぎの国のアリス
「―――い、おい!」
誰かに呼ばれる。
クソうぜえ・・・誰だよ・・・?
「ああん?」
ぼやける視界。
ゆっくりと目を開く。
「おい、いつまで寝てんだよ」
・・・ああ。
「また他中の奴らが来たってよ!早くボコろうぜ!行くぞ」
そう言って奴はあたしに鉄パイプを投げる。
鉄パイプを肩に担いで歩き出し、あたしは呟いた。
「・・・・・・アリス」
「は?」
前方の奴がこっちに振り向く。
「アリスになった」
夜の空を見上げながらポツリと言った。
「分けわかんねえ。・・・走るぞ!」
「ふっ・・・」
ほのかに笑って、あたしは走り出す。
目指すはトランプの兵隊ども。
・・・・・・ってところか?
-END-