【童話シリーズ第1弾】ふしぎの国のアリス
「大変だ~急がなくっちゃ~」
うさぎはアリスに振り向きもしないで、広間に走りこみました。
そしてたくさん並んだドアの1つに飛び込みました。
アリスも入ろうとしましたが、鍵をかけられたようで入れません。
「チッ!ぶっ壊してやる」
思いっきり蹴っ飛ばしました。
しかしドアはびくともしません。
家のドアなら、ひと蹴りですぐ吹っ飛んでしまいます。
なんど蹴っても、殴ってみてもドアが壊れる気配は全然ありませんでした。
「ちくしょ・・・。何でできてんだよ、ああ!?クソったれが!」
どうすることもできなくて、アリスがそこらへんを行ったり来たりしていたとき。
手袋と扇子が落ちていました。
「・・・何でこんなとこに手袋と扇子があんだよ」
そう呟きながらもアリスは、
「何かの足しにはなるだろ・・・」
と思い、それらを持っていくことにしました。
しばらくほっつき歩いていると、机がありました。
通路のど真ん中に、それはもう不自然すぎるくらいに。