【童話シリーズ第1弾】ふしぎの国のアリス


「大変だ~急がなくっちゃ~」



うさぎはアリスに振り向きもしないで、広間に走りこみました。



そしてたくさん並んだドアの1つに飛び込みました。



アリスも入ろうとしましたが、鍵をかけられたようで入れません。



「チッ!ぶっ壊してやる」



思いっきり蹴っ飛ばしました。



しかしドアはびくともしません。



家のドアなら、ひと蹴りですぐ吹っ飛んでしまいます。



なんど蹴っても、殴ってみてもドアが壊れる気配は全然ありませんでした。



「ちくしょ・・・。何でできてんだよ、ああ!?クソったれが!」



どうすることもできなくて、アリスがそこらへんを行ったり来たりしていたとき。



手袋と扇子が落ちていました。



「・・・何でこんなとこに手袋と扇子があんだよ」



そう呟きながらもアリスは、



「何かの足しにはなるだろ・・・」



と思い、それらを持っていくことにしました。



しばらくほっつき歩いていると、机がありました。



通路のど真ん中に、それはもう不自然すぎるくらいに。


< 6 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop