【童話シリーズ第1弾】ふしぎの国のアリス
「はあ!?クソったれ!何で水なんだよ、この野郎!!」
アリスは泳げないのです。
必死にもがいていると、やがて岸にたどり着きました。
落ちた場所から岸までが、意外に近かったようです。
アリスは肩で息をしながらぼやきました。
「・・・っはあ、誰だよ・・・体が小さくなる薬なんか作った奴・・・。こっちは死にそうになったんだっつうの、イカレ頭め・・・」
力なく立ち上がって顔を上げると、
「大変だ~大変だ~」
向こうへ走っていくうさぎが見えました。
アリスはびっくりです。
「な、何であいつがここに・・・?」
とにかく追いかけないと、どうにもならないと思ったアリスは、びしょびしょの服のまま走り出しました。
野原を全速力で走りながら叫びます。
「おい、そこのクソうさぎー!!」
しかしうさぎはこちらを見向きもしません。
そしてうさぎの声が聞こえました。