ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 窓を完全に閉める前に、またカチッと再びロックする音が響き、少しだけ開いたままの窓にシステムが反応して、大きなブサー音が鳴り出した。


「くそっ」


 思わず毒づきはしたものの、さほど取り乱すこともなく来た経路を辿り、高い塀からためらうことなく飛び降りた。


 両足のすねに、鋭い痛みが走った。


「っつー…」


 しゃがんだまま痛みに耐えていると、


「何してる?行くぞ」


 見上げると兄貴が冷ややかに俺を見下ろしていた。


 自分の身を危険にさらしてまで俺を待っててくれたのか?


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