ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 しぶしぶ俺が、グラスを口に持っていくと、


「なぁ皆人。そのネックレス…」


 と、唐突に切り出した。


「は?」


 俺は何の話かわからず、思わず聞き返した。


「それだよ、お前がいつも付けてるやつ。」


 ようやく、俺が365日肌身離さず付けているネックレスのことだと悟った。


「それ、俺のなんだ。返してくれないか?」


 優しい口調だが、兄貴の眼は俺に拒否権などないと言わんばかりに、鈍く輝いていた。


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