ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 それは、雫形の薄緑の石が付いた何の変哲もないただのネックレス。


 俺は石の部分を右手で隠すように掴み、


「そんなん言われても…考えとくよ。」


 いかにも心のない返事をした。


「ああ、頼むよ。でも…お前が考えた結果が“NO”なら、俺は強硬手段にでるけどな。」


 兄貴はそう言って、不適な笑みをこぼした。


 陳腐なごまかしが効く相手でなかった事を再び思い知る。


 その時、何やら店内が騒がしくなり、俺は何事かと振り向いた。


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