ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 吸い終わったタバコを入れた携帯灰皿を、元のポケットにしまい、俺はようやくベランダから部屋の中へ戻った。


 そういえばノアの手紙を読み終えただけで、まだ何もしていない。


 クソ兄貴に邪魔されて、ノアの悩み相談は中断されたんだった。


 話の続きを聞こうと、さっきまで座っていた場所に再び腰を下ろした。


 ノアから渡された手紙は『あなたのせいなんでしょ?』という問いかけで終わっていた。


 ノアはテレビの下の棚から、ボールペンを持ち出して来て、俺のすぐ隣に膝をついて正座した。


 おい、近いって!


 そう突っ込みたくなるほど、俺とノアの間にはスペースがない。


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