ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 俺が『田中』という名に思いを巡らせていると、女がまたため息をつき、


「もういいですか?仕事続けても?」


 と言うので、ハッと我に返り、


「ああ、ゴメン、続けて。」


 思わず謝った直後、『何で俺が謝んなきゃなんないんだよ?!』と腹が立ったが後の祭り。


 女はすでに俺に背を向け、忙しくキーボードを叩き始めていた。


 とりあえず、蔦山さんが帰るまで特にやるべき事も思いつかないし、再び自分のデスクへ行き、椅子に腰掛けた。


 急に猛烈な睡魔に襲われた。


 そういや、俺、昨日から一睡もしてないんだっけ。


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