ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 母が死んだという事実を、俺は受け入れられなかった。


 受け入れたくなかったんだ。






 その後の記憶は曖昧で、大勢の捜査官と、彼らに紛れて親父もやってきて、検視官らが家中を忙しく動き回り、そして親父には言葉少なに慰められた気がする。


 そして…握った左手を開いて中を見たのは、随分後のことだった。


 それがこの、薄緑の雫形の石が付いたネックレスだった。



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