ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 夜になって、兄貴が帰宅し、多分母さんから俺のこと聞いたんだろう、兄貴が俺の部屋のドアをノックした。


 俺が返事もせず無視していると、兄貴はそっとドアを開けた。


 俺は壁際へ寝返って兄貴に背を向け、


「入ってくんなよ。」


 と八つ当たり。


 兄貴はそんな俺の態度にも全く動じることなく、そっと歩み寄り、静かにベッドの端に腰を下ろした。


「皆人、なんでやり返さなかった?」


 一瞬、責めてるのかと思ったが、兄貴の口調はとても優しかった。


「別に。」


 まだふて腐れてる俺は、短い言葉で兄貴を遮断した。


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