ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「お前なら、そこまで負傷する前に、そこいらのチンピラぐらい、返り討ちにできたろ?」


 しつこく語りかける兄貴に、余計にイラついて、勢い良く起き上がって兄貴に向かい、


「怖かったんだよ!かっこ悪いだろ!?笑えよ!」


 泣き濡れた顔で叫んでた。


 そんな俺に、兄貴は優しく微笑んだ。


「お前、自分の周囲の人間に仕返しされること考えたろ?彼女や、友達のこと…。自分の身は常に自分で守れるけど、周りの人間にはそれができない。四六時中一緒に居る訳にいかないもんな!?」


 なんとなく兄貴が何を言おうとしてるのか、バカな俺にもわかって、俺の中の怒りが微かに冷めていくのを感じた。


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