ロシアンルーレット【コミカルアクション】


 再び目を覚ました時、今度はちゃんとしたベッドに寝かされていた。


 ベッドと言っても、マットレスの上に布団を敷いただけのものだけど。


 傷もきちんと手当してあって、俺の腹部はご丁寧に包帯でぐるぐる巻きにされていた。


 着ている物は、相変わらず、薄ねずみ色の作業着上下、刑務所の時のままだった。


 ベッド脇に誰かが居て、俺を心配そうに見下ろしている。


 ノアだった。


 最初、目の錯覚かと思った。


 硬く目をつぶり、もう一度その姿を確認する。


 やっぱりノアだ。


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