ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「ここは安全だ。」


 兄貴はそう言いながら、俺の目の前に片膝をついてしゃがむと、当たり前のように、俺の両手にポケットから出した手錠を掛けた。


「何コレ?」


 俺は繋がれた両手首を、兄貴に掲げて見せて、不満を露わにした。


 兄貴は立ち上がると、軽く鼻で笑って、相変わらずの落ち着いた口調で言った。


「お前にやってもらいたい仕事がある。」


「答えてねーし。」


 俺のそんな反論も無視で、兄貴は一方的に続けた。


「お前、あのファイルの地図見たんだよな!?」


「見たけど、ほんの一瞬で何も覚えてない。」


 兄貴の真意が読めず、戸惑いがちに答えた。


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