ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「心中?ふざけてんのはどっちよ!?私はただ、可愛い皆人くんとオープンカーでドライブしたかっただけよ。」


 涼しい顔でそう言って、女は兄貴に似た魅惑の笑みを見せた。


 長い髪が風邪になびいて、色っぽい。


「オープンカーでドライブねぇ…」


 瞬時に俺の怒りは冷め(というか諦めだな、これは)、俺はボソリと呟き、流れる景色に視線をやった。


 今はっきり分かることと言ったら、反対方向に向かっていた理由ぐらいだ。


 もう後のことはどうでもいい…


 投げ遣りな気持ちになったら、気分が少し楽になった。






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