ロシアンルーレット【コミカルアクション】


 兄貴の隠れ家(!?)へ戻ると、建物の前に、出るときは無かった車が数台停車していた。


 兄貴とその仲間達、全員集合って訳か。


 再びここへ戻って、よくよく観察してみると、その建物は廃墟となった病院のようだった。


 中へ入ると、冷たい廊下が続き、部屋の扉が廊下に沿って規則的に並んでいる。


 女は、俺がノアといた部屋の手前の部屋の前で立ち止まると、その扉をゆっくり開けた。


 中には数人の男達が、今にも壊れそうなパイプ椅子や、ボロボロのソファーに腰掛け、何やら声を潜めて話し合ってる最中だったが、扉が開くと皆一斉に口をつぐんでこちらを見た。


 女が先頭きって部屋に足を踏み入れる。


 俺は蔦山さんを、後ろからせっつくようにして、女に続いた。


 兄貴の仲間達が、蔦山さんを認めると、即二人が立ち上がって、蔦山さんを両脇から抱え、乱暴に椅子に叩きつけるように座らせた。


 それが合図だったかのように、男達は兄貴以外全員ゾロゾロと部屋を後にした。


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