ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「舌を噛み切らないように、龍は拷問相手に何をすると思う?」


 男のまるでなぞなぞのような問いかけに、俺は何も答えずただ男の目を直視した。


「自分の左腕を噛ませるんだ。」


 言葉が出なかった。


 兄貴は狂ってる。


 意味わかんねぇ…


「自分も痛みを味わうことで、少しでも罪悪感から逃れようとしてんだろうな、多分…」


 男はどこか遠い目をしていて、俺と微妙に視点が合わない。


「誰も龍の拷問を見たことないんだけどな、龍は片手で器用に痛めつけるらしいぜ。」


 そう言うと、フッと短く笑って男はようやく俺と視点を合わせた。



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