ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 「1つ目、暗殺の目的は?

  2つ目、あんた、俺の職業知ってるか?

  3つ目、10年間、どこで何してた…?兄貴…」


 『兄貴』…久々にその言葉を口にした。


 母を殺した相手でなきゃ、感動の再会に涙していただろう。


 真面目で、正義感が強く、優しかった兄の突然の犯行。


 17歳の俺は兄を恨み、『殺してやる』と毎日泣いた。


 27歳の俺は、その頃の燃え滾る炎のような怒りはないものの、彼のバカげた依頼を受ける義理は到底ない。


 質問の答えを聞いたら断るさ。


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