ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「久米沢が殺られた時はさすがに焦ったさ。取引の総責任者不在じゃ、取引中止を言い渡されても何も言い返せないからな。だが俺が立ち会う事で予定通り物は手に入った。龍一達は無駄骨折った訳だ。」


 愉快だと言わんばかりに、親父が高笑う。


 聞かれもしないのにツラツラしゃべくりやがって…遺言かなんかのつもりか?


 モニターの数字は“00:25:38:――”、下二桁は相変わらずグルグル回る。


 そこへ、女が登場。


 さっき桜庭に呼ばれた『日置』か?…って、こいつ俺と同じ部署の無愛想な情報処理担当の女じゃねーか。


 女は俺に、相変わらず感じ悪い一瞥を投げると、颯爽と操作盤へ向かい、キーボードみたいな部分の上を、パタパタと目にも留まらぬ速さで10本の指を器用に躍らせた。



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