ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「ノア…お前は…愛する男の為に、好きでもない男と寝るのか?」


 俺のそんな問い掛けは、ノアには届かない。


 そんなノアに代わって兄貴が俺に訴えかける。


「確かに、安永一家が暗殺され、瀕死の状態で発見されたノアを助け、かくまったのは俺だ。だがノアと俺の間には何もない。」


「それみろ。お前の兄貴はもう言い分を変えたぞ。」


 親父がそんな兄貴の様子を楽しむように、嫌味な笑顔で言った。


「だが、龍一は、お前の命の恩人には違いない、感謝すべきだぞ、皆人。」


 頭が混乱して、何も言葉が出て来ない。


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