ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「ポリーナはお前を溺愛していた。我々はお前が何か情報を握っている可能性があると危惧し、念のため消すことにしたんだ。言っておくが、断腸の思いだったさ。できればそんな事はしたくなかった。だが、それに気付いた龍一が、先にお前に近付いた。」


「黙れ、親父。」


 まだ話を続けようとする親父に、銃口を向けたまま怒鳴りつけた。


「兄貴のとった行動は正しかったさ。俺は傷付いたけどね。俺の失恋なんか、あんたの計画が決行された後に予想される惨事に比べたら、取るに足らない悲劇だよ。」


 必死で笑顔を作って言ってみた。


 俺、上手く笑えているでしょうか?


 桜庭は、そんな俺たちのやり取りを、ただ黙って聞いていた。


 それでも、時々モニターの数字を確認するのは忘れない。


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