ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 そして扉を開けると立ち止まり、


「言い忘れたけど…」


 そう言ってゆっくり振り返り、


「ここへ来る前、警察に俺の犯行をちゃんと通報しといたから。もう5分もしたらパトカー来るんじゃないかな?」


 と、無邪気に微笑んだ。


 この人、セリフと表情の組み合わせを完全に間違えてる。


 パタンと軽い音を響かせ、兄を飲み込んで扉は閉まった。


「くそっ。」


 俺は舌打ちすると、自分が今日ここで触れたモノを必死で思い出し、慌てて上着の袖で拭き、すぐにその場を立ち去った。


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