ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 その店員の目が節穴でホッとした。


 彼女の『美形』という表現で、俺の容疑は上手い具合に晴れた訳である。


「そうか?」


 この期に及んでヤツはまだ疑っている。


「ゆうべ殺された3人はお前のお友達だろ?」


 相変わらず口角を片方だけ上げてヤツは俺を見た。


「さぁ?そうだっけ?」


 俺がとぼけて聞き返すと、またヤツは突然真顔になり、身を乗り出して俺の顔に息がかかるほど顔を近づけ、


「お前が殺ったんじゃなきゃ、誰が殺ったんだ?!」


 周りに聞こえないように気遣うような小さな声で、それでも低く、太く囁いた。


 ほんとにこのオッサン、威圧感すごい…。


 チキンの俺はちびりそうだったさ…って、冗談。


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