ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「ならいいが…。何分、世間知らずの“甘えた”なもんでね。コイツが大それた悪さなどできるはずもないだろう。万が一にも監察局の目に留まったのだとしたら、逆に喜ぶべきかな?!」


「とんでもない。立派な息子さんがいらっしゃって、羨ましいですよ。うちなんか、3人共女でね、女房合わせたら我が家は女4人。家に帰っても、私の居場所なんかないですから。」


 いつまで…この茶番に俺は付き合わなきゃならない?!


 親しげにオヤジと話すヤツの笑顔をボーっと見詰めながら、早くここから脱出できることを願った。


「それにしても、過密なスケジュールの中、わざわざ息子さんに会いにいらっしゃるなんて、よほど仲がよろしいんでしょうね?!それとも、何か重大な用件でもあるんでしょうか?!」


 たっぷり皮肉を込めたヤツの言葉に、オヤジへの敵意すら感じた。




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