ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 店員に案内された席には、色白で華奢な、どこにでもいるようなサラリーマン風のメガネの男がノートパソコンを前に座っていた。


 俺が向かい合うように腰掛けると、男は親しげな笑みを浮かべ、


「やぁ、お兄さんから聞いてた通りだな。一目見て君だとわかったよ。」


 と白々しい愛想良さを醸し出しながら言った。


 俺が何も答えずにいると、男はバツが悪そうに苦笑し、


「おしゃべりは嫌いなようだな。では、簡潔に用件だけ言おう。」


 そう言って、ノートパソコンをクルリと回転させ、俺にその液晶画面を見せた。



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