ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 だったら一思いに…痛みを感じる暇もないくらい鮮やかに殺してやればいい。


 それが少女にとって一番の幸せであるような気がしてきた。


「おしゃべりは嫌いなんだろ?用件はすべて伝えた。あとは君が自分で考え、君のやるべきことをやれ。」


 そう冷ややかに言うと、男はノートパソコンを閉じながら立ち上がった。


「そのとんでもない悪事が俺の『やるべきこと』かよ?!」


 立ち上がった男を見上げ、俺は失笑した。


「善か悪か…それを判断する能力が君にあるのか?」


 そう男に問われ、俺は何も答えられなかった。


 ただ黙って睨み付けることしかできなかった。


 男はそんな俺に勝ち誇ったように鼻で笑い、ノートパソコンを脇に抱え颯爽と店を出て行った。




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