ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 そっかぁ、『このまま会わずにノアと別れろ』という神の思し召しってとこかな。


 俺は行き場が無くなり、すっかり不必要な存在になった可哀想な花束を見詰め、苦々しく笑った。


「届けてあげたら?」


 そう言って赤メガネが1枚のメモを俺に差し出した。


「え?だけど…」


 予想外の対応に俺が戸惑っていると


「ちゃんと了解とってあるから。」


 俺の心配を察してそう言うと、赤メガネは微笑んだ。


 住所を書いたメモを受け取り店を出たけど、どうも足取りが重い。


 まず『了解とってある』という赤メガネの言葉がどうにも疑わしい。


< 86 / 463 >

この作品をシェア

pagetop