ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 服伸びるだろーが!これ安もんじゃねーぞ。


 と、心の中で歯向かってみたが、自分のあまりのどんくささに、正直俺自身も呆れた。


 俺たちはベランダの隅に身を潜め、その時を待った。


 自分の腕時計を微動だにせず見詰めていた兄が、


「行くぞ。」


 と小さく囁くと、カチッという音が暗闇に響き渡り、窓のロックが外れた。


 なんとも、犯罪者に都合の良いセキュリティシステムだ。


 思わず漏れる嘲笑を無理矢理押し殺し、俺は三人の素早い動きに必死で付いていった。


 三人はそれぞれ目的の部屋に消えた。


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