ありがと。
 な、何事!?っていうか耳痛い痛い!!
 しかしよくもまあ、あんなにカン高い声が出せるなと思うよ。
 
 「海だあ――っ!」
 「まじかっこいー!!背、高ーい!」
 女子達の視線の先に、背がスラッと高く、目鼻立ちのくっきりとした1人の男子がいた。
 
 女子の私よりも上なんじゃないかって思えるほどの綺麗な肌は、女子達をメロメロにさせる1つの要素となっているようだ。
 「・・・か・・・っこい・・・」
 紗耶香も心を奪われてしまったらしい。ま、私は別にイケメンでも興味ないからいいけどね。
 
 「はろー!てか、みんな妙にテンション高くね?」
 「だーって、海君がいつにもまして格好良く見えるんだもん!」
 「まあ、百合はオナ中だったから、俺のコトよく分かるもんな♪」
 『百合』という女子が『海』と親しげに話し始めると、他の女子は一斉に、嫉妬と妬みの願望で百合を睨む。・・・こ、怖いです。
 その空気を察したのか、海がなだめるように言う。
 「んー、みんなはそんな顔しないほうがぜってー可愛いって!俺は、笑顔のみんなの方が好きだからさ♪」
 
 「キ・・・キャー!!」
 だから耳痛いっての!ってか、鳥肌がハンパじゃないの、今!
 やばいやばい。気持ち悪。ああいうの1番嫌い!
 プレイボーイ、ってやつデスカ?

 「紗耶香・・・私、先に教室戻ってるね」
 こいつにこれ以上近づいたら、吐きそう。めっちゃ拒否反応おこしてます。
 ・・・ん?なんか・・・海がこっちに近づいてきてる?

 ・・・何で?
 
 
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