現実RPG2
※魔獣マーダー
ルイは拓馬に薬草を手渡すと、その場に座って言った。


「良かった……なんとか、倒せたな」


拓馬も薬草を口に含んだ。


「あぁ、また、お前に助けられた」


「いや、そうでもねぇ。今回は、2人いねぇと確実に殺されてた。お前が滅多刺しにされてたから、俺はルカの背後を取れたんだ」


「何だよ、俺は囮かよ……」


「いや、そういう意味じゃねぇけど」


「それより、ルイ……薬草、あと何個だ?」


「2個だ」


「よし。ちょっと1個貸してくれ」


「え?いいけど」


と、薬草を拓馬に渡すルイ。


拓馬は立ち上がると、ルカの真横に薬草を置いた。


「おい、拓馬!何やってんだよ!」


「ルイ……約束、守ってくれてありがとう。ルカは、死んでねぇ」


「バカ!早く薬草を取り上げろ!今の死闘をもう1回する気か!」


「いや……ルカに、もうその意思はねぇ」


「え?」


拓馬の言葉に、ルイはルカを見た。


ルカはうつ伏せに倒れたまま薬草に見向きもせず、人形のような無表情で一筋の涙を流していた。


こんなルカは初めて見た。


確かに、さっきまでのような殺気はなく、戦闘不能状態だ。


「どうしちまったんだ……コイツ……」


ボソッと呟くルイ。


「わかんねぇけど……薬草を、置いてんだ。まだ生きる気があるなら、気力が戻ったら飲むだろ。それより、早く行こう。ルカが復活する前に」


「……そうだな」
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